今年も 米国で Autodesk University が開幕しました。開催地は、昨年と変わって慣れ親しんだ Las Vegas です。初日の General Session Day 1 (キーノート、基調講演)では Autodesk AI の発表がありました。
ChatGPT や Stable Diffusion などの生成 AI の登場で、にわかに身近に感じるようになった AI(Artificial intelligence、人口知能)なので、なかなか衝撃的な印象です。ただ、オートデスクは今までもジェネレーティブ デザインや Forma(旧 Spacemaker)、古くは Design Graph などで、すでに AI の技術を導入、評価を続けているので、今回の発表は、今後の更なる投資・研究・採用のアナウンスと捉えていいように思います。
DevCon 東京でも一部お話していますが、2018 年に発足した Autodesk AI Lab では、Design & Make(デザインと創造)環境への AI と機械学習の基礎研究、および応用研究を着々とおこなってきています。
General Session Day 1 では、昨年発表したインダストリークラウド、製造業向けの Autodesk Fusion、メディア&エンターテイメント業向けの Autodesk Flow、建設業向けの Autodesk Forma 別に、ここ1年の成果や、今後、AI の導入で変革していく Design & Make(デザインと創造)の世界が語られています。そんな中、拙速に AI 技術を導入していくのではなく、責任にをともなうかたちで確実に AI 技術を導入していく姿勢を示したように感じます。あくまで主体は、人(設計者/デザイナー)であり、AI を人と補助するテクノロジーというスタンスです。
Autodesk Platform Services(APS)で、これら AI の機能をすぐに API として利用できるわけではありませんが、APS をベースに作られたインダストリークラウドが AI 活用のプラットフォームになっている点は見逃せません。
つまり、AI 技術のさらなる導入決意の裏には、ファイル形式にとらわれずに、粒状データ化した Design & Make データに自由にアクセス出来るプラットフォームが整いつつあることを意味しているのです。
AI が Design & Make データに簡単にアクセス(読み込み、書き込み)出来れば、リアルタイムなデータ解析・分析や、それらデータを用いた最適化された自動化、さらに、人の意思・意向に沿った創造性の拡張の支援が可能になっていくはずです。
このプラットフォームを実現しているのが Autodesk Data Model です。そして、Autodesk Data Model が採用しているのが グラフ データベースであり、 グラフ データベース内のきめ細かなデータ(デザイン ファイルから分解・抽出されて粒状データ)にアクセスする GraphQL といったテクノロジです。
さて、無料の digital pass への登録が必要になりますが、General Session Day 1 のオンデマンド視聴は、Session Catalog | AU 2023 - (autodesk.com) のリンクから可能です。
By Toshiaki Isezaki
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