今年も Autodesk Revit の新バージョン Autodesk Revit 2023 がリリースされました。
まずは概要をご紹介致します。
システム要件
Autodesk Revit 2023 がサポートする OS 環境は下記の通りです。
- Windows 10、Windows 11
- 64 ビット版のみの提供(32 ビット版の提供はなし)
- .NET Framework Version 4.8 以降
詳細なシステム要件については、オンラインドキュメントの以下のページをご参照ください。
Revit SDK
なお、Revit SDK は、下記のページで公開されております。
RevitLookup ツール
また、RevitLookup ツールの Revit 2023 対応バージョンも下記のページで公開されております。
Revit 2023 では、多数の新機能と機能改善が追加されております。
次回から複数回にわたってご案内させて頂きますが、今回は、新しい「データ交換」の機能をご紹介致します。
データ交換
Revit モデルの一部を、指定したプロジェクトメンバーと共有して、プロジェクトメンバーがモデル全体にアクセスしなくても作業を完了できるようになりました。
Autodesk Docs にパブリッシュすると、モデル内の 3D ビューからデータ交換が作成されます。その交換を、共有メンバーが使用します。データ交換には、次のデータが含まれます。
- 表示されているモデル ジオメトリ
- 要素プロパティ。データ交換では、すべてのタイプおよびインスタンスのパラメータにアクセスできます。
- 部屋データ
- レベル
- 通芯
現時点では、データ交換は、Revit から Inventor へのワークフロー、及び Revit から Microsoft Power Automate へのワークフローでのみ利用できます。
※また、この機能は Autodesk Construction Cloud の Autodesk Docs に追加された機能で、BIM 360 Document Management には搭載されていません。
ここでは、Revit to Inventor のワークフローをご紹介致します。
- Revit で 3D ビューを作成します。
- [切断ボックス]と[表示/グラフィックスの上書き]を使用し、ビューに含まれるジオメトリを制限します。
- クラウドにパブリッシュするビュー セットを作成します。
- モデルをクラウドに保存して、Autodesk Docs にパブリッシュします。
- Autodesk Docs でパブリッシュされたモデルを開きます。
- 3D ビューを選択し、[データ交換を作成]をクリックします。
- Autodesk Docs でデータ交換ファイルが新規に作成されます。
- データ交換ファイルを開いて、プロジェクトメンバーに共有します。
- Inventor 2023 からデータ交換ファイルをロードして使用することができます。Inventor 2023 での使用方法については、下記の Autodesk Inventor 2023 ヘルプをご参照ください。
より詳しい機能の解説は、Revit 2023 ヘルプと Autodesk Docs ヘルプをご参照ください。
このように、大規模で複雑になりがちなモデルでも、その一部を必要に応じてプロジェクトメンバーに共有することができるようになりました。ぜひ、Revit 2023 と Autodesk Construction Cloud の新機能をお試しください。
次回は、プラットフォームに共通のコア機能をご紹介します。
By Ryuji Ogasawara
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