前回の記事に引き続きInventor 2023の新機能をご紹介したいと思います。
新機能の紹介にあたり、Inventor 2023新機能を以下の6つの領域に分類してご紹介します。
- 一般
- 相互運用性
- パーツ
- アセンブリ
- パフォーマンス
- 図面
今回の記事では、「5. パフォーマンス」と「6. 図面」について解説をしたいと思います。
なお、「1. 一般」と「2. 相互運用性」については、前々回の記事をご参照ください。
また、「3. パーツ」と「4. アセンブリ」について前回の記事をご参照ください。
5.パフォーマンス
大きなアセンブリモデルでのグラフィックスのパフォーマンスが向上しました。
パンチ ツール iFeature のパフォーマンスが向上しました。
Expressモードでのコンポーネントの表示変更のパフォーマンスが向上しました。
6.図面
- 図面ビューの機能強化
詳細プロパティを編集
詳細ビューを編集しているときに、[詳細プロパティを編集]を使用すると、詳細ビューの境界の形状が円形状から矩形状に変わります。このコマンドは、ブラウザまたはシートのビュー コンテキスト メニューからアクセスします。
オーバーレイ ビューでのモデル状態のサポート
パーツのオーバーレイ ビューを作成する場合は、ビューに表示することを希望するモデル状態を選択できます。これは、たとえば処理の前と後にパーツを表示する場合に便利です。
- 3D 注記とモデルベースの定義
データム ターゲット
[一般注釈]パネルに[データム ターゲット]コマンドが追加され、不規則なサーフェスにデータムを設定できるようになりました。
点、円、長方形のデータム ターゲットを作成できるようになりました。
注記へのiProperty
3D/2Dの引き出し線注記のテキストに、標準 iProperty、カスタム iProperty、およびアタッチされたパーツの親に属するインスタンス プロパティを含めることができるようになりました。これまでは、アタッチされたパーツのプロパティのみを引出線注記で使用できました。
- 図面注記の機能強化
溶接注記
[溶接記号]ダイアログでは、[識別線]コントロールと[スペーサ]コントロールが常に表示され、適切な溶接仕様で有効になります。
- [溶接記号スタイルおよび規格エディタ]ダイアログボックスに新しい[現場溶接の方向]オプションが追加され、現場溶接の方向を設定できるようになりました。 [右固定]オプションは JIS 規格の既定として設定され、旧リリースと同じ機能を提供します。[自動]オプションは、その他の規格の既定として設定されています。
- エッジ溶接記号で、利用可能な最新の ISO 2553-2019 規格が使用されるようになりました。この記号はスタイル エディタに追加され、ISO、DIN、ANSI、BSI、GB、JIS、および GOST (溶接のみ)の各規格に対して既定で有効になっています。
- EN ISO 2553:2017 に基づいたステイク溶接が追加されました。この記号はスタイル エディタに追加され、ISO、BSI、DIN、および GOST (溶接のみ)の各規格に対して既定で有効になっています。また、次の規格でも使用できますが、既定では有効になっていません: ANSI、JIS、GB、GOST (図面のみ)。
- 簡易突合せ溶接およびエッジ溶接記号で、利用可能な最新の ISO 2553-2019 規格が使用されるようになりました。この記号はスタイル エディタに追加され、ISO、BSI、DIN、および GOST (溶接のみ)の各規格に対して既定で有効になっています。また、ANSI、JIS、GB の各規格でも使用できますが、既定では有効になっていません。
表面仕上げコレクション記号を更新
表面仕上げコレクション記号は、最新の EN ISO 1302:2002 規格に基づいて更新されています。
また、ブラケットの外側に面の指示記号を持つコレクション記号を定義し、シート上のすべての面の指示記号の参照タイプを含めることができるようになりました。
[幾何公差記号]の機能強化
幾何公差記号に「全体」記号を追加できるようになりました。[幾何公差記号]ダイアログの[プロファイル]ドロップダウン メニューの新しい[全体]オプションを使用します。
また、[幾何公差記号]ダイアログに ISO 5458 規格と ISO 5459 規格に基づいた接頭辞、接尾辞、補助フィーチャ インジケータを入力することもできます。まず、[スタイルおよび規格エディタ]ダイアログに追加された新しいチェック ボックスを使用して、オプションを有効にします。
以上で、Inventor 2023の新機能紹介に関する記事は終了となります。
次回は、Inventor 2023のAPIリファレンスについてご案内いたします。
By Takehiro Kato
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