AutoCAD の登場から 39 年を迎え、先日、AutoCAD 2022 がリリースされました。
AutoCAD 自身の開発では、正式なバージョン リリースまで「ビルド」と呼ばれる結合試作を繰り返して、新機能をテスト・順次組み込んでいきます。また、ビルドした数を「ビルド番号」と呼び、製品バージョンの識別で使用されています。
そして、このビルド番号は、オンラインヘルプなどのドキュメントに記載されていないシステム変数 _VERNUM の値にも反映されています。今回リリースを終えた AutoCAD 2022 で _VERNUM を調べてみると、S.51.0.0 という値を返すことがわかります。
言うまでもなく、これは AutoCAD 2022 のリリース版が 51 回ビルドされてきたことを意味しています。このビルド番号は、今後、リリースされるだろう Update の適用によって変化します。
もう1つ、ビルド番号の最初にあるアルファベットですが、これはバージョン毎の開発コードネームの頭文字を表しています。歴代の開発コードネームは次のとおりです。
リリース名 |
開発コードネーム |
AutoCAD R14.0 |
Sedona |
AutoCAD R14.01 |
Pinetop |
AutoCAD 2000 |
Tahoe |
AutoCAD 2000i |
Banff |
AutoCAD 2002 |
Kirkland |
AutoCAD 2004 |
Red Deer |
AutoCAD 2005 |
Neo |
AutoCAD 2006 |
Rio |
AutoCAD 2007 |
Postrio |
AutoCAD 2008 |
Spago |
AutoCAD 2009 |
Raptor |
AutoCAD 2010 |
Gator |
AutoCAD 2011 |
Hammer |
AutoCAD 2012 |
Ironman |
AutoCAD 2013 |
Jaws |
AutoCAD 2014 |
Keystone |
AutoCAD 2015 |
Longbow |
AutoCAD 2016 |
Maestro |
AutoCAD 2017 |
Nautilus |
AutoCAD 2018 |
Omega |
AutoCAD 2019 |
Pi |
AutoCAD 2020 |
Qubit |
AutoCAD 2021 |
Rogue |
AutoCAD 2022 |
Sequoia |
AutoCAD 2023 |
Turing(2022年追記) |
AutoCAD 2024 |
Ursa(2023年追記) |
AutoCAD 2025 |
Venn(2024年追記) |
ビルド番号は、ABOUT[バージョン情報] コマンドで表示されるダイアログにも表示されるようになっています。
AutoCAD 使用時にビルド番号を意識する必要性はあまりないように思いますが、アドイン アプリケーションを開発している場合には、プログラムから _VERNUM 値を取得してバージョンを判断する、といった利用方法も可能かと思います。
ちょっとした情報として覚えておくといいかもしれません。
By Toshiaki Isezaki
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