今回は、AutoCAD 2022 の新機能から、クラウドを使った AutoCAD の新機能、改良機能をご紹介したいと思います。
現在の図面を共有
[図面を共有] の機能は、現在の図面のコピーへのリンクを共有し、AutoCAD Web アプリで表示または編集することができます。関連するすべての DWG 外部参照とイメージが含まれます。
[共有] は、AutoCAD デスクトップの ETRANSMIT[e-トランスミット] と同じように動作します。共有ファイルには、外部参照やフォント ファイルなど、関連するすべての従属ファイルが含まれます。 リンクを知っているすべてのユーザは、AutoCAD Web アプリで図面にアクセスできます。リンクは、作成後 7 日で有効期限が切れます。受信者の権限は、表示のみと編集と保存が可能の 2 つのレベルから選択できます。
図面の共有時、「表示のみ」を選択して URL を生成、共同作業者に伝えた場合、表示される図面は表示専用となります。
同様に、図面の共有時に「コピーを編集して保存」を選択して URL を生成、共同作業者に伝えた場合、表示される図面は編集、保存が可能となります。後述するトレース機能はこの方法で共有した図面で使用することが出来ます。
従来の 共有ビュー との違いは、Autodesk Viewer(Autodesk ビューア、https://viewer.autodesk.com/)使用の有無です。共有ビューは DWG ファイルを変換して読み取り専用(表示専用)で共有するの対し、[図面を共有] は、DWG を使用してのコラボレーションを実現しています。
トレース
トレース 機能は、「コピーを編集して保存」を選択して [図面を共有] した場合に使用できる新しいコラボレーション機能です。トレースは、既存の図面を変更する恐れなしに、AutoCAD Web アプリ、AutoCAD モバイル アプリで図面の変更を共同で行うための安全な空間を提供します。トレースは、たとえば図面上に配置された共同作業が可能な仮想のトレーシング ペーパーのようなもので、共同作業者が図面にフィードバックを追加することができます。
Web およびモバイル アプリでトレースを作成し、図面を共同作業者に送信または共有して、共同作業者がトレースとその内容を表示できるようにすることができます。
機能は、使用しているアプリのバージョンによって若干異なります。トレースは、デスクトップ、Web、またはモバイル アプリで表示できますが、トレースを作成または編集できるのは、Web およびモバイルを使用している場合のみです。
トレース情報は図面に保存されます。トレース情報の削除は、デスクトップ、Web、モバイル アプリのいずれでもおこなうことが出来ます。
Autodesk Docs へプッシュ
[Autodesk Docs にプッシュ]を使用すると、図面レイアウトを PDF として Autodesk Docs にプッシュすることで、現場とコラボレーションすることも可能となります。複数の図面のレイアウトを選択し、それらを PDF として Autodesk Docs の選択したプロジェクト フォルダにアップロード出来ます。
Autodesk Docs とは
オートデスクは、BIM 360 プラットフォームを BIM 360 や PlanGrid、BuildingConnectedといった製品の統合プラットフォームとして、数年をかけて Autodesk Construction Cloud(ACC) に移行していく予定です。もちろん、BIM 360 がすぐに使用できなくなるということではありません。
Autodesk Construction Cloud は統合プラットフォームであるため、ACC、BIM 360、PlanDrid などのプロジェクトを透過的に運用することが求められます。Autodesk Docs は、BIM 360 のドキュメント管理層として使用されている BIM 360 Docs の ACC 版と捉えることが出来ます。
※ Autodesk Docs は Autodesk Drive とは異なるプロジェクト ベースのドキュメント管理サービスです。
※ AEC コレクションのサブスクライバは、ACC のドキュメント管理を担う Autodesk Docs を使用可能です。
ここでご紹介した機能は、[コラボレート] リボンタブの [図面を共有]、[Autodesk Docs にプッシュ]、[トレースパネル] として表示されるボタンからアクセスします。
これら機能の使用には、AutoCAD をインストールしたコンピュータがインターネットに接続されている必要があります。AutoCAD 起動時にインターネット接続が確立できないと、次のダイアログが表示されます。コンピュータにキャッシュ データが残っていない場合には、[コラボレート] リボンタブに [図面を共有]、[Autodesk Docs にプッシュ]、[トレースパネル] のボタンが表示されない場合があります。
By Toshiaki Isezaki
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