今回の記事では、Design Automation API for Inventorで使用するInventor Plug-inを開発する際に便利なVisual Studio template をご紹介いたします。
このテンプレートを使用することにより、Inventor Plug-inの作成に必須の処理を含んだスケルトンコードを生成することができます。
また、このVisual Studioテンプレートを使用することのもう一つの利点は、ローカルでのデバッグ作業を行うヘルパープロジェクトを生成してくれることにあります。
ご存知のように、Design Automation for Inventorを利用するにあたっては、自動化する処理を記述したInventor Plug-inを作成し、バイナリファイルとPackageContents.xmlをZip圧縮をして、AppBundleとしてアップロードをする必要があります。一方で、作成したPlug-inの動作を確認するために、クラウド上のInventorコアエンジンを用いて毎回AppBundleにアップロードするというのは少々手間がかかりすぎます。
このため、Design Automation for Inventorで動作を確認する前に、このVisual Studioテンプレートから生成されるヘルパープロジェクトを用いて、ローカルコンピュータで事前の動作確認をすることをお勧めいたします。
- インストール方法
インストールは、Visual Studio 2017のエディタ内から行います。[ツール]-[機能拡張と更新プログラム]を選択します。
表示されたダイアログの左のリストから、オンラインを選択し、右側のパネルの検索文字列に”Forge”を入力して検索をすると、Design Automation for Invenorがリストに表示されるので、ダウンロードボタンを押してダウンロードをします。
ダウンロード完了後、Visual Studioを終了すると以下のようなメッセージが表示されるので、「Modify」をクリックするとインストールが開始されます。
- 新規プロジェクトの作成とデバッグ実行
インストールをしたテンプレートを使用してプロジェクトを作成するには、Visual Studioの新規プロジェクト作成時にVisual C#配下の「Design Automation for Inventor」を選択して新規にプロジェクトを作成します。
Plug-in用のプロジェクトを含むソリューションが作成されます。
ソリューションをビルドすると、ソリューション作成フォルダ\Outputフォルダ配下に、Plug-inのバイナリファイルを含むZipファイルが作成されます。
また、DebugPluginLocallyプロジェクトをスタートアッププロジェクトに設定し、デバッグを開始するとInventorが起動してPlug-inの処理(RunWithArgumentsメソッド)が実行されます。
なお、Plug-inに引き渡す引数を追加・変更する場合は、DebugPluginLocallyプロジェクトのProgram.csファイルの以下の部分を編集します。
また、Interactionプロジェクトを使用することで、作成したPlug-inをAppBundleとしてForge環境へアップロードすることができます。
Interactionプロジェクト配下のappsettings.jsonを開き、対象となるForge ApplicationのClientIDとCleintSecretに変更し保存をします。
Interactionプロジェクトをスタートアッププロジェクトに設定し、デバッグ実行をするとコンソールが起動し、以下のようなメニューが表示されます。
AppBundleの作成する場合は、0(ゼロ)を入力することで、ビルドしたAppBundleがアップロードされます。
なお、現在のところDesign Automation API for Inventor用のVisual Studio templateは、Visual Studio 2017環境にインストールが可能です。
2020/9/7追記
Visual Studio 2019環境ではインストール時にエラーとなりますのでご留意ください。
Visual Studio 2019でもインストールできることを確認しました。Visual Studio 2019でインストール時にエラーが発生する場合は、Visual Studioの最新のUpdateを適用後、PCを再起動してから再実行してみてください。
By Takehiro Kato
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