前回に引き続き、今回は、Revit 2021 の MEP 設計分野の新機能と機能向上についてご紹介致します。
システム解析
Energy Optimization for Revit は、コンセプト デザインから詳細設計や建物運用にいたるまで、建物のエネルギー パフォーマンスをクラウドで解析できる機能(サブスクリプションメンバー限定)です。
Revit の建築モデルからエネルギー 解析モデルを自動生成し、シミュレーション エンジン(DOE 2.2 および EnergyPlus)を使用してクラウドで解析し、Autodesk Insight を使用して、設計要素や運用要素を検討、評価、調整することにより、建物のパフォーマンスを改善することができます。
この機能は Revit 2011 からご利用いただけますが、さらに Revit 2020.1 では、エネルギー解析モデルを MEP のシステム解析で利用できるように拡張した新機能「システム解析」が追加されました。
MEP エンジニアは、スケッチ モードを使用して、建物のゾーン設備機器、空調システムおよび水の循環を設ける部分を定義します。
エネルギー解析モデルを作成すると、解析スペースがゾーン設備機器に自動的に割り当てられ、[システム解析]ツールを使用して、冷暖房および風量についての負荷計算や年間のシミュレーションのレポートを作成します。
より詳しい解説にご興味ある方は、下記の Webinar 動画や Revit ヘルプをご参照ください。
API では、建物のエネルギー要件を満たすための空調または水循環の MEP 解析システムの要素として、MEPAnalyticalSystem クラスが追加されました。
水循環システムのデータ、空調システムのデータを保持するクラスが追加されました。
MEPAnalyticalSystem.GetWaterLoopData() 及び、GetAirSystemData()メソッドを通じて取得できます。
- Mechanical.WaterLoopData
- Mechanical.AirSystemData
ゾーン設備機器は、ZoneEquipment クラスで表されます。
ZoneEquipment.GetZoneEquipmentData() メソッドから取得できる ZoneEquipmentData オブジェクトを通じて、ゾーン設備機器に関連付けられるデータにアクセスできます。
新しい GenericZone クラスは、物理的なモデルがなくても、特定の機器、空調システム、および水循を、建物のどのゾーンに割り当てるか指定できます。
そして、Analysis.ViewSystemsAnalysisReport クラスを通じて、システム解析レポートを作成することができます。
配電システムの単相2線L-N電圧に対応
米国以外でよく見られる配電システムに対応するために、Revit は単相 2 線の L-N 分電盤をサポートしました。
電気回路の命名
米国以外での回路 ID の規則に適切に対応するために、[電気設定]ダイアログで回路の命名スキームを定義できます。パネルの[回路名称]インスタンス パラメータを使用して、スキームを選択します。
配電盤の回路の最大数
配電盤の[1 ポール ブレーカの最大数]パラメータが[回路の最大数]パラメータに変わりました。
また、スペア回路で[フレーム]パラメータが使用できるようになりました。パネル集計表に表示されます。同様に、スペース回路では、極数および集計表の回路注記パラメータがサポートされるようになりました。
配電盤のフェーズ選択
配電盤のパネル集計表ビューに、フェーズを切り替えるコマンドが追加されました。
各シートに関連の集計表をプロジェクトブラウザ内で表示
シート ビューに、各シートに表示されるパネル集計表が一覧表示されます。
MEP ワークシェア機能の向上
MEP 要素でのワークシェアリングの使用が改善され、より一貫性のあるエクスペリエンスが提供され、関係者間のコラボレーション機能が向上しました。
今回は、Revit 2021 の MEP 設計分野の新機能と機能向上について、ご紹介いたしました。ぜひお試しください。
By Ryuji Ogasawara
コメント