AutoCAD 2020 for Mac、AutoCAD LT 2020 for Mac 日本語版がリリースされました。昨年末の AutoCAD 2019 for Mac/AutoCAD LT 2019 for Mac に続いての日本語版リリースです。
既にサブスクリプションをご契約いただいている方は、順次、Autodesk Accounts ページから AutoCAD 2020 for Mac、AutoCAD LT 2020 for Mac をダウンロード、インストールすることが出来るようになるはずです。
最初に、Mac 版の AutoCAD/AutoCAD LT 固有の機能に触れておきたいと思います。これらは、前バージョンの 2019 でも利用することが可能です。
言語の切り替え
Windows 版の AutoCAD には、ユーザ インタフェースの言語を変更するための Language Pack が別インストールで用意されていますが、Mac 版の AutoCAD には Language Pack はありません。その代わり、OPTIONS[オプション] コマンドで [アプリケーション基本設定] ダイアログを呼び出すことで、ユーザ インタフェースの言語を変更することが出来ます。今回のバージョンでは、新たに韓国語を選択出来るようになっています。なお、言語設定の変更後には、AutoCAD の再起動が必要です。
スペースバー(スペースキー)の振る舞い
同じく [アプリケーション基本設定] ダイアログで設定可能な機能に、スペースバー(スペースキー)のカスタマイズがあります。この機能にチェックしておくと(既定値)、スペースバーを押し続けている間、パン(画面移動)が有効になり、慣れると、とても便利です。
Touch Bar(タッチバー)のカスタマイズ
Touch Bar 搭載の MacBook Pro モデルでしか利用することが出来ませんが、AutoCAD 使用中に割り当てられているファンクション キーの振る舞いをカスタマイズすることが出来ます。Touch Bar は [F1] ~ [F12] の従来のファンクションキーに代わるもので、ソフトウェア/アプリケーションによって割り当てれた機能を、視覚的に表示する有機 EL を使ったボタン提供させるユーザインタフェースです。 AutoCAD/LT では、この割り当てを [表示] メニューの [Touch Bar をカスタイズ...] メニューから変更することが出来ます。
続いて、2020 バージョンになって、改良、あるいは、追加された機能をご紹介します。
新しいダークテーマ
Windows 版の AutoCAD 2020/AutoCAD LT 2020 と同様に、Mac 版でも青味がかったダークテーマが採用されています。もちろん、[アプリケーション基本設定] ダイアログで明るい色調のライトテーマを指定することも出来ます。
クイック計測
こちらも Windows 版と同期して追加されたクイック計測機能です。
マウス カーソルをホバーすることで、近接するジオメトリやジオメトリ間の寸法、距離、角度を瞬時に計測、一時グラフィックスとして表示してくれます。
ロールオーバー ツールチップ
Windows 版では古くから導入されていたロールオーバー ツールチップ機能が、Mac 版で初めて利用出来るようになりました。ロールオーバー ツールチップは、マウスカーソルを図面上のジオメトリにホバーさせて、オブジェクト タイプや画層、色など、そのプロパティを一時的にツールチップ表示する機能として知られています。
改良された図面比較
Windows 版と同期して図面比較の機能も改良されています。前バージョンでは、現在開いている図面とは関係なく、比較対象の 2 つの図面を選択して、違いを新規図面に示すよう処理していましたが、今バージョンでは、現在開いてアクティブになっている図面と、もう1つ、比較対象となる図面を選択することで比較するようになっています。
図面比較中に作図領域上部に表示されるツールバーを使って、図面比較で得られた違いの検出機箇所を順番に拡大表示させたり、スナップショット図面として書き出しことが出来ます。
差分として検出されて作図される雲マークにマウスをホバーさせると、今バージョンから利用出来るようになったロールオーバー ツールチップが比較で用いた図面の検出色や、比較対象図面のパスを表示します。
図面を1つも開いていない状態で [図面比較] を選択すると、AutoCAD 2019 時のように [図面比較] ダイアログを表示して、比較対象の 2 つの図面ファイルを選択することで図面比較を実行することも出来ます。
ブロック パレット
ブロック パレットも変更を受けています。挿入可能なブロックがプレビュー画像付きで一覧表示、実際に挿入するだけでなく、繰り返し配置を含む、挿入オプションも指定出来るようになっています。また、現在開いている図面内のブロック定義だけでなく、別の場所に保存されている図面ファイル内のブロック定義を一覧表示して挿入出来ます。
最後になってしまいましたが、動作環境をご案内しておきます。
AutoCAD 2020 for Mac の動作環境
オペレーティングシステム
Apple® Mac® macOS v10.14 以降(Mojave)、v10.13 以降(High Sierra)
モデル
2009年1月1日以降に発売された Mac Pro、iMac、iMac Pro、MacBook Pro、MacBook、MacBook Air、Mac Mini
CPU タイプ
64 ビット Intel CPU (Intel Core Duo CPU、2 GHz 以上推奨)
メモリ
最小 4 GB の RAM (4 GB 以上を推奨)
ディスプレイ解像度
True Color 対応 1,280 × 800 ディスプレイ(Retina ディスプレイ搭載の 2880 x 1800 推奨)
ディスク空き容量
ダウンロードおよびインストール用に 3 GB のディスク空き容量
ポインティングデバイス
Apple® Mouse、Apple Magic Mouse、Magic Trackpad、MacBook® ProTrackpad、または MS 互換マウス
プリンタ
Mac OS X 互換プリンタ
By Toshiaki Isezaki
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