オートデスクは、クラウドベースの建設プラットフォームによってデジタル化と自動化を促進するために、昨年から、PlanGrid 社、Assemble Systems 社、BuildingConnected 社の買収をそれぞれ発表してきました。
PlanGrid 社は、ゼネコン、サブコン、オーナーが、建設プロジェクトのライフサイクル全体を通じて、リアルタイムのコラボレーションを実現するためのソフトウェアとクラウドサービスを提供している企業です。
PlanGrid のユーザーは、プロジェクトの計画、パンチリスト、プロジェクトタスク、進捗状況の写真、毎日の現場レポート、提出物などにリアルタイムにアクセスすることができます。
そして、2019年4月23日に、PlanGrid と Revit を繋げる新機能「PlanGrid BIM」が発表されました。
今回は、この「PlanGrid BIM」について、その概要をご紹介します。
「PlanGrid BIM」の機能は大きく分けて3つあります。
- BIM 対応シート
- ユーザーは要素をタップして、要素の寸法、材料の種類、製造元の詳細などの BIM データのプロパティにアクセスできます。
- 3D BIM Viewer
- シンプルにタップするだけで、オフラインの場合でも、特定の要素の 3Dビューを即座に表示できます。ベータ版のビューアには、モデルの要素間で計測を簡単に行うための、ズームツール、スナップツールなどの機能が含まれています。
- Revit との統合
- Revit アドインツールを通じて、Revit から PlanGrid にシームレスにシートをパブリッシュすることができます。
- BIM データ、およびシートのタイトルと番号が PlanGrid に移行されます。
- このアドインは、Revit 2017 ~ Revit 2020 でお使い頂くことができます。
もちろん、この 3D モデルを表示する機能には、Forge Viewer が組み込まれております。
現時点では、BIM 360 とは連携されておりませんが、今後は、Forge や BIM 360 との連携が強化されていく予定です。
また、「PlanGrid BIM」をトライアルでお試し頂くこともできます。
Revit と Forge を連携して、Forge Viewer を活用している事例としても参考になりますので、ご興味のある方は、下記の手順で実際にお試しください。
- まず、右上の「SIGN UP」ボタンをクリックして、ユーザー登録ページにて、必要な情報を入力して、ユーザー登録をします。
- ユーザー登録後にログインすると、ポータル画面にて、サンプルプロジェクトを選択することができます。
「Sample Project - Office Building」プロジェクトを選択すると、事前にアップロードされているシートや関連データを確認できます。 - 次に、こちらのサイトから Revit アドインの ZIP パッケージをダウンロードし、インストーラを起動して、Revit アドインをインストールします。
Revit を起動して、ZIP パッケージに同梱されている「Sample Project - PlanGrid Office - Revit 2019.rvt」を開きます。 - [アドイン]タブの[Export to PlanGrid]ボタンをクリックすると、ダイアログが表示されます。
- PlanGrid のユーザーでログインします。
- Revit プロジェクトのデータに「PlanGrid BIM」がアクセスするための権限を許可します。
- エクスポート先のプロジェクトを選択します。今回は、「Sample Project - Office Building」プロジェクトを選択します。
- エクスポート時の Version set name を入力します。この名称によって、PlanGrid 上でアップロードしたシートを識別することができます。※[Include BIM data/model]チェックボックスにチェックが入っていることを確認してください。
- [Publish]ボタンをクリックすると、シートのアップロードが始まります。
- アップロードが完了したら、PlanGrid を開いて、「Sample Project - Office Building」プロジェクトのサイドバーのメニューから[Sheets]を選択します。
- 右の [Filter by] 機能で、先ほど入力した「Version set name」を選択します。
- 「A-101」のシートを選択すると、シートが表示されます。左メニューの「BIM」ボタンをクリックすると、BIM モデルの要素が、青色でハイライト表示されます。
- ハイライト表示されている要素の一つを選択すると、コンテキストダイアログが表示され、さらに要素を選択すると、要素の詳細が右サイドに表示されます。
- 要素の詳細では、Revit の要素が保持しているプロパティの情報を確認することができます。また、[View in 3D]ボタンをクリックすると、その要素にフォーカスされた状態で Forge Viewer が開きます。
- Forge Viewer では、マウスドラッグで視点の移動、マウスホイールのスクロールでウォークスルーを行うことができます。
- また計測の機能を利用することができます。計測モードにすると、マウスカーソルが端点にスナップします。
- 要素を選択して、プロパティを表示することもできます。
今回は、PlanGrid と Revit を繋げる新機能「PlanGrid BIM」についてご紹介しました。
Forge を活用すれば、既存のソフトウェアやクラウドサービスとオートデスク製品を補完的に「接続する」仕組みを構築することができます。
7 月 16 日(火)~19 日(金)にオートデスク・東京オフィスで開催する Autodesk Cloud Accelerator は、Autodesk Cloud Engineering チームのサポートを受けながら、PoC(Proof Of Concept)/コンセプト アプリの開発に集中的に取り組むことができるデベロッパー向けのイベントです。
ぜひこの機会をご活用ください。
By Ryuji Ogasawara
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。