今週、Autodesk University(AU)が米国ラスベガスで開催されますが、AU 開催に先立ち、11月14日に米国在中の ADN メンバ向けに Developer Day が開催されました。既報 のとおり、米国とヨーロッパでは Autodesk Forge 利用者に対する課金が始まってますが、今回の Developer Day では、課金方法とその内容についての変更がアナウンスされています。
なお、今回の変更は、あくまで、既に課金が開始されている米国とヨーロッパに在中する開発者に対するものです。課金が開始されていない日本では、従来どおり、当面の間、無償・無制限で Forge Platform API をお使いいただくことが出来ます。
変更された新しい課金内容については、14日付けで デベロッパ ポータル への記載が更新されています。
また、デベロッパ ポータルで Forge 開発で必要なデベロッパキー(Consumer Key、Consumer Secret)を取得されている方には、先週の段階で、「Forge Update: Subscription Availability and New Terms of Service」のタイトルでメールが配信されています。
通知メールにあるとおり、今回の変更は、開発者コミュニティなどからのフィードバックを元に、よりシンプルで利用し易くなることを観点に作成されてものです。概要は、次のとおりです。
- 課金はクレジット カードによる引き落としではなく、オートデスクが既に導入している クラウド クレジットでおこなう。
- 課金対象は、Model Derivative API と Design Automation API に限定される。従来のアナウンスで対象となっていた Data Management API は課金対象からはずれる。Viewer 利用は、従来想定通り無償。
- Model Derivative API での消費されるクラウド クレジットは、変換対象のファイルの種類によって異なる。現在のところ、Revit と Navisworks ファイルの変換には、内部的なプロセルの難易さから、1 回の変換で 1.5 クラウド クレジットが消費される。その他のファイル変換には、0.2 クラウド クレジットが消費される。
- Design Automation API の課金は、バッチ処理の内容を担う WorkItem の演算時間によってクラウドクレジットが消費される。1 時間処理に時間がかかった場合、消費されるのは 4 クラウド クレジットとなる。
- Autodesk Forge を使用し始めた初年度は、Trial(体験)期間として 500 クラウド クレジット提供される。このクラウド クレジットを範囲内の消費であれば、無償で API を利用することが出来る。なお、クラウド クレジットが残っていても、1 年を経過すると、Forge を Subscription 契約しなければならない。
- Forge のSubscription 契約は、現在のところ、1 ヶ月単位で、月500米国ドル(375 英国ポンド、440 ユーロ)になる。この価格には消費税は含まれない。
- クラウド クレジットとは別に、Trial 期間には 5GB、Subscription 購入で 500GB のストレージ領域が提供される。この領域は、主に、2-legged 認証下で利用する OSS の Bucket 利用等で利用することが可能。
- Forge Subscription 契約は、Autodesk Accounts ページで停止しない限り、自動更新される。
- Forge Subscription 契約して使用せずに残ったクラウド クレジットは、月替わりで削除されてしまうため、持ち越しは出来ない。なお、Trial で提供されるクラウド クレジットは、アカウント登録から 12 ヶ月間は削除されない。
- Forge Subscription で入手したクラウド クレジットは、現在のところ、Forge 専用となるため、他のオートデスクのクラウド サービスでは利用することが出来ない。
- 当初、学生や教育機関の開発者用のビジネス モデルを検討していたが、現時点で、無償の Trial を利用するよう改定された。ただし、今後の改定で変更される可能性がある。
- Trial で入手したクラウド クレジットでも、商用サービス/アプリケーションで利用可能。
- クラウド クレジットを大規模消費をする場合には、個別契約で対応することも可能。
- 既に Forge を利用している開発者は、12月9日まで制限なし・無償で利用可能。
- 既に取得済みのデベロッパキー(Consumer Key、Consumer Secret)は取得し直す必要はない。
日本での課金開始時期や内容が明確になった時点で、このブログでご案内する予定です。繰り返しになりますが、上記内容は、既に課金が開始されている米国とヨーロッパに在中する開発者を対するものです。課金が開始されていない日本では、従来どおり、当面の間、無償・無制限で Forge Platform API をお使いいただくことが出来ます。
By Toshiaki Isezaki
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