Inventor 2017 製品が 2013/03/26(日本時間 2013/03/27) 発売されましたが、今回より Inventor製品のリリースサイクルに伴う情報と、Inventor 2017 製品の新機能・強化機能 を複数回に分けて、ご紹介させていただきたいと思います。
Ⅰ. Inventorのリリースサイクル
Inventor 製品は毎年コンセプトに基づいた新しいバージョンがリリースされてまいりましたが、2015年3月のInventor 2016 製品のリリース以降、サブスクリプションの対象者は一年の中間で連続したアップグレードバージョン製品( 2015/10 : Inventor 2016 R2 , 2015/12 Inventor R3)がリリースされ、その都度ご利用いただける製品サイクルとなっています。
Inventor 2016 R2 では、「ジェネレーティブ デザイン」として、コンピューターをツールとしてではなく、素材として扱うという製品コンセプトが掲げられ、また、Inventor 2016 R3 では「コネクテッドデザイン」として、プロジェクトを管理するデータを格納し、A360とAutodesk Vault を使用して「共有デザイン」のコラボレーションをホストするための クラウドとInventorを接続する技術を使って設計する製品コンセプトが掲げられています。
そして、新しいInventor 2017 バージョンは「Inventor Presents(= Inventor が提供するもの)」としてのコンセプトが掲げられたリリースとなっています。
今回は、それぞれのバージョンのコンセプトの簡単な内容を含めご紹介させていただきます。
Ⅱ. Inventor 2016 R2
(1). Inventor 2016 R2 の「ジェネレーティブ デザイン」
コンピューターをツールとしてではなく素材として扱うことで、軽量で且つ構造的に効率的な部品を設計するという考えより、機能要件から直接設計を目指す新しい手法もご利用いただけます。
機能の性能を追求したオリジナルのアイデアを必要とした場合、ポイントはジオメトリではなく機能の性能を重視して、且つデザインの重量を軽減するために何が必要であるかが求められます。
これらは、既存のパーツ形状または目安として考えられる形状から開始し、オリジナルのアイデアを洗練するために「ジェネレーティブ デザイン」の考え方を使い、荷重や拘束を追加し、ディスクトップコンピュータの力で独自の理想的な形状を作成することで、簡単にパーツの設計から不必要な塊を減らすことができます。
• 機械効率と速度の向上
• 材料の無駄の削減
• パーツ設計のメッシュオーバーレイとして提案したトポロジを、即 使用
• Inventorに統合 – 追加製品やサービスは必要無い
• 現在のInventor利用者に提供
(2). Inventor 2016 R2 の「ForceEffect 製品との統合」
Inventor製品とForceEffect 製品の容易さを結合してお使いいただくことで、強力に基本的な静的や動的な問題を解決する事が可能となり、プロフェッショナル級の製品設計が可能となります。
ForceEffect 製品内で作られたシミュレーションのための荷重を確定したボディー図と連動させて、そのままInventor製品の中で自由なボディ図として作成することで、Inventorのスケッチの基礎として使う事で、直接計算をキープしたまま自由なボディー図と連動した既存の製品モデルのパーツを作りだす事によって、合理化しながらデザインの品質を向上させることができます。
Inventorの設計との関連において、すばやく 構造体の静的荷重と運動を探る
• 構造体を作成し、荷重を決定し、モデリングツール内に統合
• 機械的なモデルのスケッチとして、自由なボディー図を再利用
• 設計開発を促進し、コストのかかる再作業を削減
(3). Inventor 2016 R2 の「エレクトリック メカニカル デザイン」
電気またはプリント回路基板の設計エンジニアに対し、選択したプリント回路基板からメカニカルへのワークフローを改善し、 Inventorのコンテキスト内の製品設計を可能にして、プリント回路基板データをインポートする事が出来ます。
プリント回路基板を念頭に製品を設計した場合、InventorはすでにIDF2.0/3.0をサポートしておりますが、選択的なインポートを使用してコントロールを強化する事と、コンポーネントライブラリの作成を合理化することと、デザインの重複の検出(マッチング、インポート時間の短縮)によって適切な詳細とモデリングでコンポーネントのマッチングが容易になる事を取り上げています。
• IDF 2.0/3.0 インポートの拡張サポート
• 簡単な選択フィルタリングとインポート
• 共通部品を再利用してインポートを高速化
Ⅲ. Inventor 2016 R3
(1). Inventor 2016 R3 の「コネクテッド デザイン」
プロジェクトを管理するデータを格納し、A360とAutodesk Vault を使用して「共有デザイン」のコラボレーションをホストするための クラウドとInventorを接続する技術のミドルウェアをバックボーンにお使いいただく設計手法です。
背景にAutodesk A360を使用していただく事で、簡単に共同作業のユーザーを有効にして、データとデザインを共有する事が可能となっています。
Inventor 2016+ユーザーは、自分のIPを保護しながら、すぐにInventorから直接「共有デザイン」コラボレーションセッションを起動することができ、必要に応じてメモをキャプチャするなどして、意思決定などにも参加することができます。
このクラウド対応のコラボレーションは、製品開発エコシステム全体にコンカレントエンジニアリングをサポートし、顧客がより早く市場に投入するより良い製品を得るのを助けるために意思決定プロセスをスピードアップすることができます。
• お使いの製品の IP を保護しながら、素早く簡単に 3D デザインを共有
• 製品開発エコシステム全体のコンカレントエンジニアリングをサポート
• 製品設計をドライブする意思決定の背後にある意図を記録したり参加
Ⅳ. 今後の Inventor 製品の計画について
今後の Inventor 製品の方向性として、将来のリビジョンアップ製品やバージョンアップ製品において、パブリッシュ機能を再構築させて搭載する事が計画されており、コラボレーションならびに Inventor 内のプレゼンテーション環境を充実させてお届けする計画があります。
この計画は Inventor 上の再構築予定のパブリッシャーを使うことで、堅牢な大規模アセンブリの全てはテクニカルドキュメントとして利用できるようになり、アニメーションのワークフローも提供され、Inventor を使用してメカニカルエンジニアと設計者だけでなく、テクニカルライターやアニメータおよびドキュメントの専門家の要件に対応できるように計画されています。
将来は、Inventor によって提供される強力なエンジン上で実行されている、パブリッシャーのワークフローと機能のみとした、Inventor の全ての機能を必要としないパブリッシャーのユーザーのための基本的な Inventor の軽量バージョンをリリースする計画もあります。
今回は、紹介されていないInventor 2016製品のR2/R3 も含めたリリースサイクルに沿ったコンセプトを中心と、今後のInventor製品の計画についてお届けしましたが、次回より、Invento2017 製品の新機能についてご紹介する予定です。
By Shigekazu Saito.
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