Makers や Fbricaors と呼ばれる方が製作した情報を共有する instructables というサイトをご存知でしょうか。このサイトには、さまざまなアイデアや製作に必要な情報が記載されています。3D プリンタが普及期になったいま、このようなポータル サイトが多く見受けられるようになってきました。
この inscructables からインスピレーションを得て作成されたのが、Autodesk University Japan 2015 や Gallery Pop-Up Tokyo で Mozilla Japan 赤塚さんと PixcelGrid の小山田さんにデモしていただいた世界時計です。Brian Wagner 氏が公開している情報は、instructables の こちらのページ に記載されています。
記載されているオリジナルの情報では、Arduino(アルドゥイーノ)というワンボード マイコン互換のキットがプログラムとともに記載されています。Autodesk University Japan にあたって、Arduino 部分を MozOpenHard の CHIRIMEN ボードで JavaScript を使ってコントロールしようというものです。
時計を表現する可動部分は、同サイトで SVG ファイル形式でダウンロードすることが出来ます。SVG は、もともとベクトル情報を扱うために定義された形式ですが、現在では W3C で標準化されているので、Web の世界では一般的です。レーザーカッターで SVG の形状に沿って木材の板カットすることで、時計の形状を得ることが出来ます。
Autodesk University Japan では、このデータを再利用されたのが、実際に披露された MozOpenHard 版の世界時計です。もちろん、イベントでは 3D 化された世界時計を View and Data API で制御して、フロント インタフェースとして利用していただきました。
実は、Fusion 360 には、SVG ファイルをスケッチとしてインポートする機能があります。
インポートされたデータはレーザーカット用に余白を利用した入り組んだ状態になっていますが、Fusion 360 のコンポーネント作成用にスケッチを分割して作成、編集していくことも容易です。
適宜、スケッチからコンポーネントを作成してジョイントさせていくだけで、アニメーションを含むシミュレーションをおこなうことが出来るわけです。もちろん、マテリアルの適用して意匠を検討することも出来ます。
マテリアルを変えたパターンを幾つか用意したら、View and Data API で扱えるようにクラウドにバケットを作ってストリーミング配信できるように調整します。
もちろん、Web ブラウザで表示する際には、JavaScript でコントロールを加えることが出来ます、また、CHIRIMEN ボードも JavScript でコントロールするので、Web 開発の知識さえあれば、ハードウェアの制御が可能なのです。
CHIRIMEN ボードは WiFi 経由で赤塚さんの Mac に接続されています。Mac 上では 3D モデルを表示中の Web ページが表示されていて、この Web ページが View and Data API と CHIRIMEN ボードをコントロールする JavaScript が記述されています。まさに、Makers 向けの IoT/WoT と考えることが出来るわけです。
View and Data API や Fusion 360 は、さまざまな用途で利用することが出来ますが、こういった利用方法は、その一例です。
By Toshiaki Isezaki
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