前回の Revit 2016 の新機能 ~ その4 に引き続き、Structural Analysis Toolkit for Autodesk Revit と Energy Analysis for Autodesk Revit の新機能をご紹介いたします。それぞれのツールの概要や基本機能につきましては、また改めて別途ブログ記事にてご紹介いたします。
Structural Analysis Toolkit for Autodesk Revit
Revit 2016 では、次の機能が利用できるようになりました。
自重解析
非線形静解析より簡易的な自重解析を実行できます。この解析タイプでは、荷重のフロー パスを推定することで、鉛直荷重がモデルの上部から基礎までどのように伝わるかを判断できます。
解析結果エクスプローラ
解析のタイプに応じて、マップ形式または図表形式で視覚的に結果を表示することができます。
自重解析では、部材の荷重、壁/床の荷重、反力、活荷重の低減を確認することができます。
Web サイト - 3D Structure Viewer
非線形静解析と自重解析の結果を 3D Structure Viewer で表示できます。Revit で使用できるタイプの結果以外に、その他の結果タイプを表示したり、要素ごとに詳細な結果を検討することができます。部材とサーフェスの結果は、ローカル座標系(LCS)で表示されます。
モバイル デバイスでは、ジ ェスチャーを使用してモデルを拡大/縮小、画面移動、回転することができます。
Web サイト - プロジェクト ページ
共有メンバーと解析を共有できます。共有メンバーは結果を編集したり、Revit プロジェクトに結果をダウンロードしたりすることはできません。解析結果の表示、レポートの表示、結果を持つ/持たない Robot モデルのダウンロードといった操作が可能です。
Web サイト - ダッシュボード
Web サイトで、[Autodesk? 360 Structural Analysis]ダッシュボードを開くことができます。
Energy Analysis for Autodesk Revit
Revit 2016 では、次の機能が利用できるようになりました。
コンセプト マスと建物要素の混在したモデルで解析
新しい解析モードである、[コンセプト マスと建物要素を使用]では、両方の設計タイプを含むモデルでエネルギー解析を実行できます。このモードは、設計の一部が詳細で一部がコンセプトになっている場合や、既存の建物への追加部分を表すのにコンセプト マスをモデリングした場合などに便利です。
エネルギー モデル表示のための書き出しが不要
リボンの[エネルギー モデルを有効化]ツールの名前が[エネルギー モデルを作成]に変更されましたエネルギー解析モデルを作成し、Revit のコンテキストで表示するには、このツールを使用します。エネルギー モデルを表示する場合に、そのエネルギー モデルを gbXML や Autodesk Design Review に書き出す必要がなくなりました。(エネルギー モデルが存在する場合、ツールは[エネルギー モデルを削除]に変更されます。
3つのビューでエネルギー モデルを調査・調整
建物要素が含まれている解析モデルを選択してエネルギー モデルを表示する場合、Revit では、[3D エネルギー モデル] (3D ビュー)、[解析スペース] (集計表)、[解析サーフェス] (集計表)の 3 つのビューが作成されます。これらのビューを使用すると、解析モデルを調査し、エネルギー シミュレーションを実行する前に調整を行うことができます。
エネルギー コスト解析ツールの追加
[結果および比較]ウィンドウの[エネルギー コスト範囲]ダッシュボードに新しい解析ツールが備わりました。このダッシュボードを使用すると、解析した建物モデルの現在のエネルギー コストや、特定した変数を変更することで全体のコストがどれだけ削減されるかを把握することができます。
今回は、両ツールの Revit 2016 における新機能をご紹介いたしました。
両ツールは別途ブログ記事にてご紹介いたします。
By Ryuji Ogasawara
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