A360 ビューワーの新機能

以前ご紹介した A360 ビューワーの機能に、新しい機能が追加されました。このビューワー公開の目的には、A360 に本格搭載する前の試験的な要素も含まれます。なので、まだ A360 クラウドサービス（https://autodesk360.com）本体には組み込まれていませんが、近い将来、実装されるものです。もちろん、View and Data Web サービス API でも同じように考えられます。

Live Review

リアルタイムコラボレーションの機能です。同等の機能は、以前、AutoCAD 360 上でAdobe Flash Player を使って実現されていましたが、今回の実装は WebSocket と呼ばれるプロトコルを利用して実現しています。このビューワ自体も、HTML5 と WebGL といった Web テクノロジのみで実装されているので、WebGL 対応の Web ブラウザがあれば、プラグインなどをインストールする必要はありません。また、モバイルデバイスに搭載されている Web ブラウザでも同様に利用することが出来る点も重要です。

コラボレーションを動画にまとめましたので、下記の動画をご参照ください。動画中でも説明していますが、3D モデルだけでなく、2D 図面でもリアルタイムコラボレーションをお試しいただけます。

アニメーション再生

さて、もう 1 つの機能はアニメーション再生機能です。アップロードするデザインファイルが Autodesk Fusion 360 で作成された .f3d ファイル（Fusion 360 アーカイブ）で、アニメーションが定義されていれば、その内容を A360 ビューワー内で再生することが出来ます。もちろん、追加のプラグインインストールは必要ありません。

このモデルを A360 ビューワーで表示させている動画も、下記からご覧いただけます。マテリアル表示がオリジナルと異なっていますが、将来的に改善されるものと思います。

外部参照ファイル

AutoCAD の DWG ファイルや Inventor の IAM ファイルなど、親ファイルが他の子ファイルを参照する形態を持つファイルを扱えるようになりました。このような構造は、外部参照やアセンブリといった名称で呼ばれますが、DWG ファイルと IAM ファイルについて、アセンブリ構造を持つファイルを表示できるようになりました。

親ファイルとなるファイルをドラッグ&ドロップで A360 ビューワーにアップロード指定すると、他に従属するファイルがあるかどうかを画面で確認されます。もし、子ファイルが存在している場合には、それらをアップロードすることが出来ます。

セキュリティ

A360 ビューワーは、各種データやチームメンバをプロジェクトベースで管理、運用していく A360 クラウドサービスのビューワー機能を抜き出したものです。A360 にサインアップしなくても、簡単に 3D モデルや 2D 図面を表示して、ここまでに紹介したさまざまな機能を利用できます。セキュリティに関しても、A360 と同等です。

アップロードしたファイルは SSL 通信でクラウドストレージ上に保存されますが、ここでも暗号化された状態で保存されています。また、アップロードしたファイルを変換してストリーミングで表示するため、ファイルとしてどこかにダウンロードして保存されるようなことはありません。アップロードされたファイルは、View and Data API で利用するのと同じ Temporary バケットポリシーが適用されるので、アップロード後、30 日間で自動的に削除されます。バケットポリシーについては、以前のブログ記事 A360 View and Data サービス API 利用の手引き の ステップ 3: バケットの作成 で紹介しています。

A360 を含めたオートデスクのクラウドサービスは、定期的にアップデートされて機能改善や新機能が順次搭載されていきます。もし、お試しいただいたファイルの表示で問題がありましたら、ビューワ画面右下の拡声器アイコンをクリックしてメッセージをお送りください。