Autodesk 360 Tech Preview が公開されているのをご存じでしょうか。この Tech Preview は、現在、お使いいただいている Autodesk 360(http://360.autodesk.com)の将来の姿を評価していただくためのものです。
公開は数か月前からおこなわれていましたが、ユーザ インタフェースが英語のままでしたので、このブログでは取り上げていませんでした。英語表記のみの提供であることは変わりありませんが、先週、Autodesk 360 Tech Preview に新たな機能が加わりましたので、ご紹介しておきたいと思います。
Autodesk ID をお持ちであれば、直接、http://www.autodesk360.com から Autodesk 360 Tech Preview にアクセスすることが出来ます。
Autodesk 360 Tech Preview は、従来の Autodesk 360 と異なり、プロジェクト ベースでファイルやコラボレーションなどを管理します。この方法は、Fusion 360 で採用されている方法と同じです。このため、どのデータが、どのプロジェクトに相当するのか、フォルダを作成することで自身で管理する必要があった点が、大幅に改善されています。ファイルを共有する場合でも、プロジェクト単位の指定になるため、プロジェクトに関係のない人を、誤って共有先に加えてしまうこともありません。
さて、Autodesk 360 Tech Preview に実装された新しい機能で紹介しておきたいのは、搭載されたビューワー機能です。従来の Autodesk 360 にもアップロードした 2D 図面や 3D モデルを表示するビューワーが搭載されていましたが、透明なガラスを含むマテリアル表現や陰影、遠近感を演出する焦点レンズ長などの設定が出来ませんでした。今回、Autodesk 360 Tech Preview には新しいビューワーが搭載されて、いままで出来なかった表現方法が可能になりました。次の比較を見ていただければ、差をご理解いただけるはずです。
新しいビューワーの特徴をまとめると、次のようになります。
ゼロ クライアント:WebGL 対応ブラウザがあれば OK
HTML5 実装:最新の Web テクノロジ
ストリーミング:大規模モデルの表示が高速
高品質表示:陰影、マテリアル等を高度に表現
対応ファイル形式:多様なファイル形式をサポート※
対応するファイル形式とは、Autodesk 360 にアップロードしてビューワーで表示する目的で変換できるファイル形式を指します。 いままでの Autodesk 360 も、この変換(Translation Service)をすることで、様々なファイルを表示することが出来るようになっていました。
新しいビューワーでも、Autodesk 360 にアップロードしたデータは Translation Service で表示可能な中間形式に変換されます。変換対象のファイル形式が約 60 種類に増加しています。サポートされるデータ形式は、3DM、3DS、AFE、AFEM、BMP、CATPART、DWF、WFx、DWG、DWT、F3D、IAM、IDW、IPT、IGES、IGS、INSTRUCTION、MOCKUP、NWD、OBJ、PRT、RCP、RVT、SAT、SIM、SIM360、SLDPRT、STE、STEP、STL、STP、VTFX、WIRE、X_B、X_T の拡張子を持つファイルです。
ただし、アセンブリや外部参照など、ファイル内から別のファイルを参照するファイルは、現時点ではサポートされていません。そのようなモデルをアップロードして閲覧させる場合には、アップロードする際にクライアント上の CAD で、3D DWF を出力したり、Navisworks で 1 つのファイルにまとめておくことで対応することが出来ます。なお、マテリアル表現など、一部の機能はファイル形式によってはサポートされない点にも注意してください。
Autodesk 360 Tech Preview のビューワー機能を動画にまとめましたので、目を通してみてください。
そして、このビューワー機能を単体で切り出して、カスタマイズやマッシュアップに利用できるようにするのが、先月、クラウド コンピューティング EXPO で公開した Viewing Service API です。
まずは、Autodesk 360 Tech Preview でその機能をご確認ください。
By Toshiaki Isezaki
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