点群データを扱うツールとして、無償の Autodesk ReCap と、レンタル ライセンス として有償提供される Autodesk ReCap Pro が存在します。無償版の Autodesk ReCap は、http://www.autodesk.com/products/recap/get-started からダウンロードしてご利用いただくことが出来ます。また、AutoCAD 2014 などの 2014 製品にも同梱されています。この無償版 Autodesk ReCap は、リリース後にアップデートされています。アップデート作業は、ReCap を起動してからユーザ インタフェース上で実行することが出来ます。
最終のアップデートは2013年の12月に行われていますが、最後のアップデートを適用すると、Autodesk ReCap Pro の機能を 30 日間無償で利用できるようになります。
今日は、デスクトップ製品としての Autodesk ReCap と他のオートデスク製品や Autodesk ReCap 360 クラウド サービスとの連携を含め、そのワークフローをご紹介しておきます。まず、無償版の Autodesk ReCap で何がかのなのかをご案内しておきます。
Autodesk ReCap は、3D レーザースキャナが計測したデータを点群データとして表示する機能や、計測時に内蔵する CCD カメラが取得した画像を合成して表示する Real View と呼ばれるパノラマ画像表示を提供します。更に、点群上の領域を指定して不要な点群を除去したり、精緻な距離計測や注釈といったマークアップを加えることができます。
また、編集やマークアップを加えた ReCap プロジェクトを Autodesk 360 にパブリッシュすることで、他のメンバと共有してコレボレーションすることが出来ます。パブリッシュ可能な ReCap プロジェクトは、パノラマ計測が可能な 3D レーザースキャナでデータから生成されたサポート ファイルが存在する必要があります。具体的には、プロジェクトのサポート フォルダ内に、プロジェクトが参照する実際の点群データ(*.rcs)の他に、ストラクチャ データ(*.rcc)ファイルが必要です。Autodesk ReCap 上で点群データ(*.rcs)のみしか含まないプロジェクトを開いている場合には、パブリッシュ ボタンは表示されません。
共有されたデータは、Real View の状態を Autodesk 360 や Autodesk ReCap 360 上から Web ブラウザを使ってReal View を参照できるので、パブリッシュ前に加えられたマークアップを Autodesk ReCap がインストールされていない環境でも参照できます。ReCap 360 上でも距離計測と注釈をマークアップして保存できます。
Autodesk ReCap プロジェクトやエクスポートした点群ファイルは、そのまま AutoCAD や Revit、InfraWorks といったデスクチップ製品にインポートして再利用できます。
ここまで紹介した内容は、無償版の Autodesk ReCap で利用できる機能です。Autodesk ReCap Pro へのアップグレードは、レンタル ライセンスとして Autodesk ストア からご購入いただけます。購入プロセスが完了すると、無償版 Autodesk ReCap のアクティベーションを経て、ウィンドウ タイトルに Pro という文字が表示されるようになり、ロックされて利用できなくなっていた ReCap Pro の機能が利用できるようになります。
ReCap と ReCap Pro の違いは次のとおりです。
ReCap Pro 固有の機能は、異なるスキャンデータを1つの空間(プロジェクト)に登録と、計測コントロールを配置して精緻な計測結果の取得が可能になります。前者は、1つの座標系で複数のスキャンデータを統合できる点、後者は、RMS(Root Mean Square、二乗平均平方根)を用いた高い精度の値を得ることが出来るようになります。
最後になってしまいましたが、ご案内した機能が網羅的に紹介されている Autodesk ReCap のイメージビデオがありますので、こちらをご覧ください。
利用用途はさまざまですが、現況として取り込んだ点群データの利用は、今後急速に拡大していくはずです。
By Toshiaki Isezaki
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