オートデスクのAEC分野における主要製品であるRevitは.NET APIをもちいてカスタマイズすることが可能です。ここでは、Revit APIを使用してカスタマイズを開始しようとなさっている方のために、まず何が必要かをご紹介します。
1)環境の設定
Revitの製品
現在Revit 2013リリースの時点では、Revitには4種類のフレーバーがあります:
- Autodesk® Revit® Architecture
- Autodesk® Revit® MEP
- Autodesk® Revit® Structure
- Autodesk® Revit®
4つ目のAutodesk® Revit® は非公式には「ワン ボックス(One Box)」とも呼ばれ、Architecture(建築意匠)、 MEP(設備)、Structure(構造)のすべての機能を含みます。ただし、ワンボックス版はビルディング デザインスイーツ(プレミアム とアルティメート )に含まれ、単体では販売されていません。まだRevitをご購入されていない方で興味のお持ちの方は、オートデスクのウエッブページ(http://www.autodesk.co.jp)からお試し版をダウンロードすることができます。30日間無償で使用することが可能です。(現時点で、リンクはここですが、正確なリンクは変更される可能性があります。その場合は、オートデスクのページを検索してみてください。)
RevitのSDK
Revit のSDK はすべてのRevitのインストールの中に含まれています。アクセスする方法は2つあります:
- メインのインストーラーからインストールする方法
SDKのインストールはRevitインストーラのメインページの 「ツールとユーティリティをインストール」メニューの下に位置しています。 (注:メイン製品のインストール直後にSDKをインストールする場合は、最初のページに戻る必要がありますのでご注意ください。) - 直接抽出フォルダ内から入手する方法
ダウンロード後解凍されたフォルダ、あるいは、メディア内のフォルダの以下にSDKは位置しています:
<extractionフォルダ>\ SUPPORT \ SDK \ RevitSDK.exe
デフォルト値を用いて解凍した場合は、通常は次のようになります:
C:\ Program Files \Autodesk\ Revit XXX NNNN\ SUPPORT \ SDK \ RevitSDK.exe
SDKは更新される場合があります。その場合、ADNサイト(会員のみ)または以下のAutodesk Developer Network Openのサイト(一般に公開)にポストされますので、必要に応じて最新版を確認の上、入手するようにしてください:
http://www.autodesk.com/developrevit
SDKにはサンプルとドキュメントが含まれています。実際に開発に必要な.NETマネージドモジュールはすべてのRevitの製品と共にインストールされます。<Revit install> \Programの下にあるRevitAPI.dllとRevitAPIUI.dllがそれです。
開発環境
現時点で最新バージョンであるRevit 2013の開発環境はMicrosoft Visual Studio(MSVS)2010です。 (以前のリリース2011及び2010をサポートしたい場合には、VS 2008 + SP1を使用してもかまいませんが、デバッグには制限があります。2013の全てのサンプルは、VS 2010でビルドしています。)
ドキュメント
RevitのAPIに関するオフィシャルなドキュメントは以下がメインとなります:
- http://www.autodesk.com/revitapi-wikihelp
- RevitAPI.chm
Revit に関するドキュメントは現在、オートデスクWikiをもちいています。これがデベロッパガイドに相当します。また、リファレンスガイドに相当するのが RevitAPI.chm ですが、これはSDKの中に含まれています。RevitAPI.chm にも個々のクラスやメソッドのコードサンプルが多く含まれていますので参考にしてください。
ただし、APIに関しては日本語バージョンが用意されていませんのでご了承ください。
さて、これで環境は整いました。次回は実際にコーディングをするのに、どこからスタートしたらいいかをお話したいと思います。
原田
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